これであなたも知ったかぶろう!

これを知ってたら、ちょいといい顔できる!コミュニケーションから時事まで分かりやすく解説!。

聴くのに最も重要な事は?

ここまで色々と話しを聴くという事について、書いてきましたが、

では誰かの話を聞くときに一番重要な事はなんでしょうか。

  

一番重要な事

一番需要な事は話し手に安心感を与える事です。

なんでも話して貰える関係性を作るといっても良いかもしれません。

どんなに相槌がうまくても、質問がうまくても、警戒をしている相手とは、

なかなか会話が弾みません。

 
どんな相手だったら話が弾む?

逆にどんな相手だったら話が弾むでしょうか。

人によって違いますが、家族だったり恋人だったり親友だったりするのではないでしょうか。

そしてそういう人達は、きっとお互いについて多くを知っていて、相手もあなたもお互いが安心をもって自分を見せられる相手ではないでしょうか。

となると、究極の聞き上手とは、相手に対し

「この人だったらなんでも言える」とか「この人だったら失敗を見せても大丈夫」という風に思われる人ではないでしょうか。

 

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話すという事の本質

話すという事を実は基本的に「自己開示」を含みます。

私はこういう人間でこう思う。こんな事があった。やはり圧倒的にこういう話をするのが多いですよね。 こういう風に自分の事情をさらけだし相手に明かすのを「自己開示」と言います。

 

「話している現場」で行われている事。

そして、実際に人と会話しているときは、皆、見栄を張ったり、不利なところを隠したりと、意識的、無意識的なところも含めて、相手の様子を見て、様々な判断をしながら話をする事になります。

例えば、上司と話すときでも、話す際に「この話をしたら怒られそうだな」とか、「この人はこういう話には殆ど興味を示さないんだよな」とか考えている方も多いかと思います。

また知り合いとかと話す場合も、「この話はうけないかも」とか、「つまらなそうだな、止めた方がいいかな」とか考えてながら話しているのが殆どです。つまり自己開示のレベルを様々なところで考えながら話しているのが現実です。

 

理想的な例

逆にそういう防御を考えないで話をしている例をあげてみましょう。

一番分かり易いのはドラマや漫画でよくわる、若い娘さん(10代半ばくらい)と仲の良い母親の会話です。

「ねぇねぇお母さん」から始まり、それを母親が微笑みながら、基本は反論とかはせずに、ときどき「あらあら」なんて合いの手を入れながら会話している風景は、よくドラマや漫画、映画などであるかと思います。 

このとき娘さんは母親に対し、完全に安心していますよね。

当たり前ですが、母親は自分の娘なので、100%に近い安心感を与えているわけです。

これが理想形の一つです。

娘さんは少し年かさですが、「さざえさん」とその母親の「ふね」との会話とか想像すると分かり易いかと思います。

 

見えて来た関係性

つまり、この時娘さんは「何を話しても自分の安全が脅かされない」と当然感じているわけです。 だからリラックスしてなんでも気楽に口に出せる。 そしてこの関係を一般的な聞き上手な人の関係に当てはめると、見えてきます。

つまり、聞き上手な人とは「自分のありのままを話しても安全が脅かされないと安心できる人なのです

 

安心感を与えるには

じゃあ 普通の人が、そういう風に話し手の人に安心感を与えるにはどうしたらよいでしょうか。

実はさきほどの娘さんのお母さんの態度にヒントがあります。

先程の母娘の会話の条件をならべてみましょう。

・娘さんは好きな様にしゃべります。 つまり話し手のリズムです。

・母親は話を基本、話をさえぎりません。

・大概はアドバイスもしません。

・「あらあら」「まあまあ」 「大変だったわね~」とか肯定的な相槌をときどき入れます。

 (聞いていることをちゃんとアピールします)

・相槌の際も、評価や意見を基本、入れません。

・どうしても伝えたいことがある場合は、娘さんが全部話し終わってから伝えます。

・そして重要なのは、ここでは母親の他の思考は出て来ません。(創作ストーリーだからですが実際でも重要です。)

 

まとめると

つまりここでは基本、話し手の娘さんが主体で、母親は聞き手として、ただそれを無条件に受け入れいてます。

そこには批評や話の内容への判断はありません(最後の最後にアドバイスや心配を伝えますがそれまでは、表現すらしません)

それが安心できる関係なのです。

 

安心できる関係のためには

つまり聞き手として話し手の方と安心できる関係を作るには、

まず、

話し手の話す内容をジャッジせず、自分の思考を手放して一旦傍に置いておいて、相手に集中して、ただ話を受け入れるという感覚が必要となります。

いい意味で「聞き手」の話の内容に反応しないのです。

これが先程の母親の態度です。

そして、多少の訓練が必要ですが、これができれば、相手の方はよく聴いてもらっているという感覚を持ちリラックスして話をしてくれる様になります。

そしてこれこそが『「話し手」と「聞き手」が安心できる関係』と言えるのです。

 

 ※補足

なお、これは先日お話した傾聴と矛盾するのではという意見がありますが、実はこの話の内容に対して反応せずに相手の話そのものを受け入れる「聴く」というポイントは、傾聴のスキルが上級になってくると必要とされてくるスキルです。そこには、聞いて「同情」ではなく「共感」するという区別が必要になってくるのですが、感情優位か理性優位かの違いの様に思われるかもしれませんが、カウンセラーや精神科医のプロの聴き手の方々は、これをきちんとわきまえてらっしゃる方が殆どです。